@すぷりんぐの感想

エロゲ 感想

【Duca】しあわせの場所と正面から向き合ってみた【星織ユメミライ】

 

さあ、新しい人生の門出だ。

決して平坦な道のりじゃないだろう。何度も壁にぶつかるだろうし、時には進むべき道を見失って迷うことだってあるかもしれない。

でも・・・心配なんてない。俺は1人じゃない、隣にはいつでも透子がいてくれる。

これから先、何があっても・・・透子と支え合って乗り越えていく。

「それじゃ・・・行こうか、透子。みんなが待ってる」

「・・・はい、あなた」

 


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 これがあるから透子というキャラクターを忘れることができない。キャラクター、シナリオ、主題歌が噛み合った彼女の為の物語。例えシリアスではなくても、熱い展開ではなくても、奥深い計算され尽くした物語ではなくても……その物語は私達を何度だって魅了させてくれるはずだ。

 

 

 こんにちは、@すぷりんぐです。感想ブログとしていくつか感想を残していてやり残したことは星織ユメミライの個別感想だなと、不意にモチベーションが湧いてきました。

 本当は長々と透子の魅力を伝えたかったのですが、この『しあわせの場所』という曲を通して充分伝えきれると判断し、今回の記事作成に至ります。

 この『しあわせの場所』という曲。本当に透子√のシナリオと合ってるんですよ。いや、そりゃ聞けばわかるでしょ(笑)ってまあそうなんですけど……実際に感じた感動というか、歌詞を読み解いてこうなんじゃないかっていう僕なりの解釈を形として残したかったというのが強い根幹です。

 

 それでは実際に歌詞を辿って透子√を振り返ってみましょう。

 

 

 

 

振り返れば 織り重ねた
掛け替えないキミとの 思い出が
目を閉じた時
鮮やかに色づき始める

 

 出だしからもう泣ける😭

 いやだって、転校を繰り返して思い出を作らないようにしてきた透子を象徴する主題歌の1言目が『振り返れば』から始まるのマジでエモくありませんか?  結婚式だから人生を振り返るってだけではなく、透子という人物の背景を知った上でこの『振り返れば』という言葉の重みってのは本当に奇跡だと思うんですよね。

 『鮮やかに色づき始める』という言葉もそのままの意味で、自分の事を透明な子と自称した彼女が、思い出を刻むことで色づいていく事を表しています。キャラクターの名前をあからさまではなく、自然にシナリオに活かす技術というのはとても素晴らしいです。

 

 

言葉では 伝えきれない
溢れる想いを 全て包んで
真っ白な 心をあげる
愛を込めて 永遠を誓うよ

 

 ガチエモポイントその2。いや多分考えすぎだと思うんですけど、『真っ白な心をあげる』って歌詞ってどういう意味なんだろうな〜ってなんとなく考えてたら自分なりの解釈でこう考えたらエモいよねっていう結論が1つ出ました。それは次のサビの歌詞と同時に綴っていきたいと思います。

 

 

ずっとずっとね 2人で歩こう
繋いだ手と手を 離さないでいてね
幸せ だけを祈って 陽だまりの場所
一緒に作っていこう

 

 僕が1番響いた歌詞は『陽だまりの場所 一緒に作っていこう』というフレーズ。この『陽だまりの場所』というのはいくつかの解釈を受け取ることができます。

 1つ目は主人公と透子が暖かい家庭を築くこと。一般的なイメージとして家庭とは暖かいもの。2人で未来の家庭をイメージするシーンというのは何度かあって、そういった暖かかな場所。それが1つ陽だまり場所として該当すると思いました。

 


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 2つ目は建築家として、インテリアコーディネーターとして仕事として様々な人の『陽だまりの場所』を作ること。主人公と透子が幸せな家庭を築くように、世の中には数多くの幸せな家庭というのは存在します。そしてそこに『家』というのは欠かせない『幸せ』を満たす要素の1つです。2人でその暖かな場所を作っていく……そういった意味もこの歌詞から読み取れるのかなと思いました。

 3つ目は少し拡大解釈になってしまいますが……先程の歌詞にもあった『真っ白な心をあげる』というのはどういった意味だろう?と。僕が思うのは『雪村』姓が結婚して変わることなんじゃないかなと感じました。『陽だまり』という言葉に注目するなら主人公の苗字も『日野』ですし……『陽』と『日』は割と関わりあるのでは?  さすがに考えすぎでしょうか。(姓が変わるのも正確にはあげるんじゃなくてもらってる?  でもこう考えたらエモいんだもん)

 

※4/11追記

 

今更書きたいこと書いてありませんでした。

 

名前についてもう少し掘り下げるならば、ED前最後のセリフ『・・・はい、あなた』がどれだけの意味を持っているでしょうか。具体的にはこう。

 





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 最初は主人公を名前で呼ぶことすらなかった透子が、紆余曲折を経て√最後のセリフで『あなた』と呼んで終わるんですよね。僕は震えました。言葉にできない感動ってやっぱりあるんだなって。

 

 

 

 

目の前には 広がる未来 
新しい旅立ちに 祝福を
ただ1つだけ 大切な気持ちを抱いて

 

 ここで結婚式が始まったようなイメージです。結婚式ヒロイン達や関わりのあった登場人物が祝福してくれる様子がなんとなく思い浮かびます。

 『未来』という言葉について少し触れるならば、ヒロイン6人それぞれのアフター√で語られる主人公は少しずつ時系列が違います。(多分)  透子√で大学生として生活が若干ですが描かれ、そら√で独立という夢の1つのゴールが描かれます。そういった意味でも透子√はより『未来』という先を想像させる始まりの√だと思いました。

 

 

いつだって 傍にいるから
不安な夜には 肩を預けて
飾らない 素顔のままで
夢の続き 支えていきたいの

 

 飾らず、背伸びせず、私達らしく。それが主人公と透子の関係。ここの歌詞はより透子らしさというか、透子の内面が感じ取れる歌詞だと思いました。

 

 

世界中の 笑顔も涙も
分け合えることを 喜びと知った
ゆっくり 歩幅合わせて
巡る季節を 一緒に歩いていこう

 

 独りだった透子が誰かと繋がることで見違えるように変わりました。星織ユメミライという作品は『夏』という季節から始まる物語ですが、当然のように季節は巡り彼や彼女らの物語は続いていきます。あの夏が特別だった、で終わらずにこれからの季節も特別にしていく……主人公とヒロインのアフター√を通して長い物語はそう感じさせてくれました。

 

 

もしキミが躓き
明日に迷って
立ち止まるとしても
共に歩む道なら
後悔なんてしないよ
きっと 叶うから

 

 僕が透子√の何が好きって、これは雪村透子のお話であって透子が夢を見つける物語なんですよ。他の5人(4人)は自分なりの得意分野があって、それがやがてアフター√で夢を叶えていくって話なんですけど、最初から夢を持たない透子ってやっぱり特殊だったんだなあと。何にも無いからこそ何か詰め込んで成長していく話はやっぱり面白い。

 2人一緒の夢を描いて歩んでいくこと。それは決して主人公への依存ではなく透子が叶えたいと思った夢。長い人生の中の切り取られた物語として、律佳√に引けを取らない、むしろ越えていく星織ユメミライの中の1番のヒロインだと私は信じています。

 

 

ずっとずっとね 2人で歩こう 
繋いだ手と手を 離さないでいてね
この先 何があっても
結んだ心 信じて歩いていこう
永遠の想いを
刻んで歩いていこう

 

 物語に沿った楽曲、そしてこの主題歌、『しあわせの場所』について触れるような追加シナリオもあります。こうした制作陣がより良いものを創っていく心意義がこの透子√から感じることができました。冒頭でも触れた通り、人によっては退屈に感じるゲームかもしれません。しかし、この星織ユメミライという作品を愛し、面白かったと感じるユーザーは世の中に数多く存在します。僕自身もそう感じることができたユーザーであったことを嬉しく思います。

 

 ふとした時に思い出すプレイした作品。いつの日か思い返したときに面白かったと思えるような作品にこれからも出会っていきたいと思います。

 

 ありがとう、星織ユメミライ、雪村透子。

 

 

 

恋人同士になっても、夫婦になっても・・・出会った頃と変わらないところは変わらない。そこもまた俺たちらしいなと思う。

「あははっ!  頑張ってね、私の旦那様!」

輝く満天の星空。笑顔で見上げる俺たちを、世界中が祝福してくれてるようで。

「私、ずっとここにいるから」

俺たちの未来を表しているかのように、この先もずっと輝きを増し続けていく。

「ここは私だけの・・・・・・しあわせの場所だよ」


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